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型染め用語集──専門用語を50音順にやさしく解説

型染めの世界には、職人たちが長い時間をかけて積み重ねてきた独特の言葉があります。「渋紙」「防染糊」「色挿し」──聞き慣れない用語も、意味を知れば型染めの理解が一気に深まります。本ページでは、型染めに関わる重要な専門用語を50音順にまとめ、初心者にもわかりやすく解説しました。

SUMMARY

型染め用語は「材料(渋紙・防染糊・染料)」「道具(駒べら・伸子・刷毛)」「工程(糊置き・色挿し・水元)」「技法(江戸小紋・紅型・長板中形)」の4分野に大きく分けられます。本ページでは主要な用語を50音順に整理し、それぞれの定義と用途を簡潔に解説します。気になる用語を辞書のように引いてご活用ください。

A LINE
藍染め
あいぞめ / AIZOME
蓼藍(タデアイ)から抽出した藍染料で布を染める技法。長板中形の浴衣染めなど、型染めとも密接な関係があります。深い藍色が「ジャパンブルー」として世界的に知られています。
伊勢型紙
いせかたがみ / ISE KATAGAMI
三重県鈴鹿市白子・寺家地区で千年以上作られてきた染色用の型紙。1955年に技術が国の重要無形文化財に指定されました。日本の型染めの基盤を支える存在です。
色挿し
いろさし / IROSASHI
防染糊で囲まれた模様部分に、筆で一色ずつ色を挿していく多色染めの工程。紅型や京小紋など、色彩豊かな型染めで欠かせない技法です。
江戸小紋
えどこもん / EDO KOMON
武士の裃に由来する、伊勢型紙を用いた一色染めの細密な型染め。遠目には無地に見える精緻な文様が特徴で、「鮫」「行儀」「角通し」を江戸小紋三役と呼びます。
KA LINE
柿渋
かきしぶ / KAKISHIBU
青柿を絞って発酵させた天然の塗料。和紙に塗ることで耐水性と強度を与え、渋紙(型紙の素材)を作るために使われます。独特の褐色が特徴です。
型紙
かたがみ / KATAGAMI
模様を彫り抜いた染色用の紙。布に当てて防染糊を置くことで模様を写す、型染めの設計図ともいえる重要な道具です。
加賀小紋
かがこもん / KAGA KOMON
石川県金沢を中心に発展した型染め。加賀友禅の影響を受け、写実的な草花文様と落ち着いた色使いが特徴です。
京小紋
きょうこもん / KYO KOMON
京都で発展した多色の型染め。花鳥風月などを絵画的に表現する、雅やかで華やかな意匠が特徴で、京友禅の流れを汲みます。
錐彫り
きりぼり / KIRIBORI
先端に半円の刃を持つ錐を回転させて、丸い点を打ち抜く伊勢型紙の彫り技法。江戸小紋の「鮫」「行儀」「角通し」はすべてこの錐彫りで作られます。
駒べら
こまべら / KOMA BERA
糊置きの際に防染糊を伸ばすために使う木製のヘラ。職人ごとに形・厚みが微妙に異なり、自分の手に馴染んだものを長年使い続けます。
SA LINE
三役
さんやく / SANYAKU
江戸小紋の代表的な格式高い柄である「鮫」「行儀」「角通し」の3つを指す総称。フォーマルな場でも着られる江戸小紋の定番柄です。
渋紙
しぶがみ / SHIBUGAMI
和紙を柿渋で何枚も貼り合わせて作る、型紙の素材となる紙。水や糊に強く、染料にも耐える耐久性を備えています。
伸子
しんし / SHINSHI
竹でできた細長い棒で、両端に針が付いた道具。布を引っ張って張力をかけ、平らに保つために使います。地張りや乾燥工程で活躍します。
TA LINE
地染め
じぞめ / JIZOME
布全体を一色で染める工程。引染めとも呼ばれ、江戸小紋など一色染めの型染めで主に行われます。
地張り
じばり / JIBARI
糊置きの前に布を平らに張る工程。長板に布を貼ったり、伸子で張力をかけたりすることで、シワや歪みのない作業面を作ります。
突彫り
つきぼり / TSUKIBORI
小刀を垂直に立てて、手前に引きながら彫り進める伊勢型紙の最も基本的な技法。曲線や絵柄の表現に向き、紅型や友禅型に多く用いられます。
道具彫り
どうぐぼり / DOUGUBORI
花弁・葉・星など特定の形に彫り抜くための専用刃物を使い、その形を一打ちで打ち抜く伊勢型紙の彫り技法。江戸時代以降に発達しました。
NA LINE
長板
ながいた / NAGAITA
布を貼り付けて糊置き作業を行うための長い板。約7メートルの長さがあり、「長板中形」の技法名はこの長板に由来します。
長板中形
ながいたちゅうがた / NAGAITA CHUGATA
長板に布を貼り、両面から正確に糊を置いて染める、東京で発展した浴衣用の型染め。中型(ちゅうがた)サイズの大柄を藍一色で染め上げます。
HA LINE
紅型
びんがた / BINGATA
沖縄を発祥とする多色の型染め技法。琉球王朝時代に王族・士族の衣装として発展し、亜熱帯の自然を映した鮮やかな色彩と大胆な意匠が特徴です。
引染め
ひきぞめ / HIKIZOME
幅広の刷毛(引染刷毛)を使って布全体を一色に染める工程。地染めともいい、江戸小紋などの一色染めで中心となる工程です。
防染糊
ぼうせんのり / BOUSEN NORI
もち粉と糠を蒸して作る糊で、染料を弾く性質を持ちます。型紙を通して布に塗ることで、糊の部分が染まらず模様として残る、型染めの最重要材料。
MA LINE
水元
みずもと / MIZUMOTO
染色後に水で布を洗い、防染糊を洗い流す工程。糊が落ちると、それまで隠れていた模様が一気に浮かび上がります。かつては川で行われ「友禅流し」と呼ばれました。
民藝
みんげい / MINGEI
大正末期に始まった、無名の職人の手仕事に美を見出す思想・運動。型染めを芸術表現「型絵染」へと押し上げる契機となりました。
YA LINE
友禅型
ゆうぜんがた / YUZEN KATA
手描きの友禅染めの意匠を、型紙を用いて再現する技法。何枚もの型紙を重ねて多色を染め分け、量産と精緻な意匠を両立しました。

※ 用語は随時追加・更新しています。

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用語に関するよくある質問

型染めの「防染糊」とは何ですか?

防染糊(ぼうせんのり)とは、もち粉と糠を蒸して作る糊で、染料が布に染み込むのを防ぐ役割を持ちます。型紙を通して布に塗られた糊の部分は染まらず、そのまま模様として残ります。水で洗えば綺麗に落ちる絶妙なバランスが特徴です。

型染めの「渋紙」とは何ですか?

渋紙(しぶがみ)とは、和紙を柿渋で何枚も貼り合わせて作る、型染めの型紙の素材となる紙のことです。柿渋によって耐水性と耐久性が増し、染色作業を繰り返し行っても破れないようになります。

「色挿し」と「引染め」の違いは何ですか?

色挿しは、防染糊で囲まれた模様部分に筆で色を挿していく多色染めの工程で、紅型や京小紋などで使われます。引染めは、幅広の刷毛で布全体を一色に染める工程で、江戸小紋など一色染めで主に使われます。両者は使用する道具と用途が大きく異なります。

「型紙」と「渋紙」は同じものですか?

厳密には異なります。「渋紙」は柿渋を塗った和紙の素材を指し、「型紙」はその渋紙に模様を彫り抜いて完成させた染色用の紙を指します。つまり、渋紙という素材から、彫りの工程を経て型紙が作られるという関係です。